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趣味的音楽生活
リスナー歴20余年の音楽好きが、ひょっとすると住めば都かもしれない地方都市ここ岡山から、ジャンルを問わずその時々で気に入った作品を紹介いたします。アメリカンロックやSSW、ジャズから民謡、落語まで。気分次第で何でもアリ。
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DANIEL MOORE/LIMITED PARKING
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以前にも取り上げたことがあるダニエル・ムーアの新作が、前作から半年少々のインターバルを置いただけで早くも発表された。わずか一年足らずの間に三枚ものアルバムを世に送り出すなんて、その旺盛な創作意欲には目を瞠る。早速、聴いてみた。

前作と前々作の内容に不満があったので正直言うと大して期待していなかったのだが、いざ聴いてみると、想像以上に出来のいい曲もあり、恐れていたほど悪くない。ただし、近作の例に漏れず、手元にストックされた未発表音源の寄せ集めであろうことは一聴して瞭然なので、さすがに大傑作とまではいかない。まずは佳作といったところだろうか。
本人による打ち込みのドラムスや、シンセ類を多用した薄っぺらいアレンジが施された曲も少なくなく、そういう作品は概してつまらない。大体、そんなコセコセしたスタジオ・ワークや密室での周到な作業の積み重ねなどという、こじんまりとした箱庭的イメージから最も遠く隔たっていたのが、かつてのソロ・デビュー当時の彼の音楽性であり、その何物にもとらわれないスケールの大きさと豪放磊落な感じ、またその合間に垣間見える乾いたセンチメントこそが、名高い彼のファースト・アルバム最大の魅力でもあった筈なのだ。

今回のアルバムには、残念ながらそうした要素は稀薄であると言わざるを得ない。
しかし、それでもなお本作が佳作たり得ているのは、表面的な意匠の底に、まさしくダニエル・ムーア節とでも言うよりほかにない曲づくりの巧みさや、独特の鷹揚な味わいがあり、それが抗しがたい魅力を放っているからに他ならない。
とりわけ、冒頭4曲の出来は素晴らしい。
ペコペコしたお手軽な感じのアレンジではあるものの、リラックス・ムードあふれるポップ・ソウル風の①。ゴスペル調の分厚い女性コーラスを配し、かつてのスワンプ・ロック的な作風を想起させる②。枯淡の味わいの③。そして、「これぞダニエル・ムーア!」と、思わず膝のひとつも叩きたくなる、T・ボーン・バーネットも参加のグレートな④。いずれも、近作で披露された新曲の中では群を抜く出来栄えだと思う。
ところが、アルバムとしての完成度を保っているのはせいぜいこの辺りまでで、以後急速に曲の印象は薄れ、求心力を失っていく。
レオン・ラッセルとも浅からぬ縁を有し、かつてはシェルター・ピープルの一翼を担ったギタリストとして知られるドン・プレストンや、実弟のマシュー・ムーアなど、それなりに豪華な面子が参加した曲もあるのだけれど、いかんせん曲そのもののクオリティが大したことないので、あまり印象に残らない。アレンジ面でも、随所で聞かれるペラペラしたエレピの音が軽すぎてイヤだ。
何度繰り返し聴いてもこの印象は覆ることなく、やはり前半部分の鮮烈さこそが、本作最大の聴き所だろうと思う。この部分の良さをどれだけ認めるかで、人によってアルバム全体の評価も自ずと変わってくるだろう。

やはりこの人は、セルフ・プロデュースではなく外部から有能なプロデューサーを迎え、気の合った仲間たちと一緒にセッション形式で録音するスタイルが一番向いているのではないかという気がする。

引き続き、今後の作品に期待しよう。

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テーマ:洋楽 - ジャンル:音楽

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